杜氏おすすめ 麦焼酎の飲み方
美味しい麦焼酎を造るため、ゑびす酒造では杜氏が日夜、精魂込めて焼酎造りに励んでいます。しかし、杜氏がこだわることができるのは、麦焼酎の蔵出しまで。最後の仕上げである飲み方に関しては、実際に麦焼酎をお召し上がりになるお客様次第です。そこで今回は、杜氏がおすすめする麦焼酎の飲み方をご紹介します。ご自分に合う、お好みの飲み方を見つけてみてくださいね。
杜氏のおすすめ01 麦焼酎をストレートで飲む
ゑびす酒造の杜氏として、最初におすすめしたいのがストレートでの飲み方です。一般的に焼酎をお湯や水で割るのは、焼酎の飲み口を柔らかくするため。しかし、ゑびす酒造の熟成焼酎はストレートでも十分に柔らかく、まろやかな味をお愉しみいただけます。甘いバニラやレーズンのような香り、梨のように爽やかな香りなど、長期熟成で生まれる芳醇さと円熟味は、ストレートで味わうにふさわしい奥深さ。熟成焼酎の違いを際立たせるのが、ストレートでの飲み方と言えるでしょう。
ちなみにストレートでお召し上がりになる際は、ワイングラスのご使用をおすすめします。ワイングラスなら、熟成の過程で生まれる豊醇な香りを閉じ込め、余すことなくご堪能いただけます。
杜氏のおすすめ02 麦焼酎をお湯割りで飲む
寒い冬に恋しくなるのがお湯割りです。麦焼酎に温かいお湯を足すことで香りが広がり、ストレートとは異なる表情を見せてくれます。とくに、芳潤かつ落ち着いた香りと豊かなコクをあわせ持つゑびす酒造の熟成麦焼酎は、お湯割りとの相性が抜群です。
お湯割りで召し上がる際に使っていただきたいグラスは、ストレートか寸胴型のもの。蒸気が立ち昇りやすく、香りをダイレクトに伝えてくれます。
焼酎とお湯を注ぐ順番についてもよく聞かれますが、ゑびす酒造では先にお湯を入れて後から焼酎を注ぐようおすすめしています。これは、温かい液体は上にあがってくる性質があるためです。グラスの下に温かいお湯、上に冷たい焼酎を注げば、撹拌しなくても混ざりやすいのです。ステアするのであれば、お湯と麦焼酎どちらが先でも構いません。
杜氏のおすすめ03 麦焼酎を水割りで飲む
麦焼酎のアルコール度数が高すぎる場合には、水割りでちょうど良い濃さにしてお召し上がりいただくのがおすすめです。水割りは加える水の量でアルコール度数や香り、味わいに変化が生まれます。水の量を少しずつ調整することで、お好みの分量を見つけられると良いでしょう。
また、樽で熟成させるゑびす酒造の麦焼酎はウイスキーとの共通点も多く、ウイスキーの愛好家に倣って、少しだけ水を加えて香りを広げるのもおすすめです。
杜氏のおすすめ04 麦焼酎をロックで飲む
ひとくちにロックと言っても、ロックアイスとクラッシュアイスでは愉しみ方が異なります。夏場など、キンキンに冷えた麦焼酎を飲みたい場合はクラッシュアイスがおすすめです。溶けやすいクラッシュアイスは早く飲まないとすぐに薄くなりますが、グビグビ豪快に飲めるという利点があります。
反対に大きめのロックアイスは溶けるのが遅く、最初はストレートに近い味わいを愉しめます。氷が溶けるに従い、アルコール度数や温度もゆっくりと変わっていくため、好みの味わいを見つけやすい飲み方と言えるでしょう。
ロックには専用のロックグラスがありますが、陶器のグラスもおすすめです。厚みがある陶器は手の温度を伝えにくく、氷の溶ける速さを一定に保つ効果があります。
杜氏のおすすめ05 麦焼酎を炭酸割りで飲む
ハイボールが流行ったことから、すっかり定番の飲み方となった炭酸割り。ハイボールはウイスキーの炭酸割りですが、麦焼酎を炭酸で割るのもおすすめです。麦焼酎に炭酸の刺激が加わるだけでなく、炭酸で割ると少し甘酸っぱくなるなど、爽やかな味の変化を愉しめます。
特に、ゑびす酒造の熟成焼酎は樽の香りと焼酎のコクが、炭酸割りと相性が良いようです。和食に合う炭酸割りとして、ハイボールの代わりにらんびきの炭酸割りをおすすめしてくださる和食店が増えています。
杜氏のおすすめ06 麦焼酎をバーチャルショットで飲む
暑い時期にお試しいただきたいのが、バーチャルショットという飲み方です。バーチャルショットの作り方は簡単で、ボトルごと冷凍庫に入れておくだけ。アルコールの凝固点は-114.5度のため、通常の冷凍庫で凍ることはありません。アルコール度数が40度の麦焼酎の場合、理論上は麦焼酎に含まれる40%のアルコール分は凍らず、60%の水分が凍ることになります。しかし、じっくり寝かせた熟成焼酎はアルコールと水分がうまく馴染んでいるため分離しておらず、その結果、冷凍するとトロッとした不思議な味覚になるのです。
さらに、麦焼酎は冷やせば冷やすほど甘みが増します。甘くてトロッとした麦焼酎、デザートワインならぬ、デザート麦焼酎と言えるかもしれません。
ちなみに麦焼酎をバーチャルショットとして飲まれる場合、180mlや200mlのボトルに移し替えてから冷凍庫に入れることをおすすめします。麦焼酎を1本まるごと冷凍してしまうのは少しもったいなく感じます。杜氏としては、バーチャルショットだけでなく、いろいろな飲み方でお愉しみいただきたいです。
麦焼酎の美味しい飲み方
秘訣は水にあり
麦焼酎を美味しく味わうためには、飲み方だけでなく、ご使用になる水にもこだわっていただきたいと思います。カルキ臭のする水道水は避けていただきたいのが杜氏の本音。できればお湯や氷も、ミネラルウォーターや浄水器をとおした水で作っていただきたいと思います。
ミネラルウォーターには軟水と硬水がありますが、どちらを使うかによっても麦焼酎の味わいは変化します。軟水を使うとやわらかく、硬水を使うと飲みごたえが出ます。ゑびす酒造の熟成麦焼酎はやわらかな口当たり。軟水で割ってやわらかさを追求するのも良いですし、あえて硬水で割ってぐっとくる飲みごたえをプラスするのも面白いと思います。
麦焼酎の美味しい飲み方は人それぞれ。いろいろとお試しいただくのも、麦焼酎好きには楽しいものです。様々な方法にトライしていただき、ぜひご自分のベストな飲み方を見つけてみてくださいね。